大相撲秋場所千秋楽。
横綱・照ノ富士を星1つの差で追い掛ける十枚目・妙義龍には、
恐らく若干の緊張はあったであろうものの、
立合いから僅か数秒、関脇・明生の肩透かしに遭い、
あっけなく土俵に手を付いた。
もちろん勝ち越しの懸かった新関脇、
喉から手が出るほど白星が欲しかったことは誰にも解るが、
こうした肝心な場面での透かし技や引き技、叩(はた)き技は、
好勝負を期待する相撲ファンへの、言わば背信行為。
彼の今後の相撲の為にも、正々堂々と正面から渡り合って欲しかった。
さて両膝に、ほぼ限界に近いダメージを負っていて、
もしかすると土俵に上がるのさえ、やっとの思いかと思しき、
第73代横綱・照ノ富士は大関・正代を寄り切り、
今年3度目(通算5度目)、
横綱としては初の必ずや思い出に残るであろう優勝を、
(結果的には妙義龍の勝敗に関係なく)見事己の力で勝ち取った。
さんま焼けたか(斉藤哲夫)
Today's BGM
風になりたい(沢田聖子)
Alone Again(Diana Krall, Michael Bublé)
ま、地力に優る照ノ富士にとって、
恰(あたか)もダンスを踊るかの如く、或いは荷車を押すかの如く、
いつも爪先立って相撲を取る正代は、
楽日の相手としては聊かどころか、かなり物足りなかったに違いないが、
「一生懸命やって良かったなと思います。
重圧を感じても仕方がないので、その日の一番に全力を掛けて、
土俵の上で一生懸命やっている姿を見せればいいかなと思っていました」
「自分1人だけではこんなに活躍できないので、
親方・女将さん始め、後援者の皆さん、家族、
ここに足を運んでくださる皆さんのお陰で、
こういう所に立てているのをありがたいと思っています。
来場所も全力で戦います」の、
同じモンゴル人ながら白鵬とは全く大違いの優勝インタビューも含めて、
彼には「天晴れ!」を進ぜよう。
さて、漸く引退する白鵬について、
時事通信社に上手く纏めた記事があったので、ご紹介しておく。
なぜ語られる横綱の「功罪」 白鵬が角界に突きつけたもの
コラム 反則規定を変えるべき
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