9/09/2021

ラピスラズリとサマルカンド・ブルー



突然だが諸兄は、「ラピスラズリ」という青い鉱物をご存じであろうか?
小生も実は、この小椋佳の歌を聴くまで、
その言葉さえ知らなかったのだが、
ラピスラズリとは、ラテン語でラズワルドの石を意味し、
英語で書くと「lapis lazuli」。
人類に認知・利用された鉱物としては世界最古のもので、
宝石として、また顔料ウルトラマリンの原料として、
古代から珍重されてきたのだそう。

ウルトラマリンと言えば、ご承知の通り、
得も言われぬほど深く美しい青~藍色を指す。
オランダの画家・フェルメールが好んでよく使ったことから、
フェルメール・ブルーと呼ばれたりもするんだが、
日本語で言えば、ラピスラズリもウルトラマリンも「瑠璃色」である。
Today's BGM
ラピスラズリの涙(小椋佳・林部智史)
ウイスキーが、お好きでしょ(桃井まり)
Samarkand Blue(Rita Coolidge)

フェルメールの代表作の1つ「真珠の耳飾りの少女」

さて、ラピスラズリの名前の元になったラズワルドという地名は、
アフガニスタン北東部にある鉱山の古名で、
新石器時代(紀元前約7千年前)の付近の遺跡からは、
ラピスラズリのビーズが発見されたそうで、
ラピスラズリの多くは昔も今も、
この地域を中心に産出されているらしい。

なお、ウズベキスタンの古都・サマルカンドは、
かつてシルクロードの要衝として栄えた町で、
世界遺産にも登録されているんだが、
「青の都」と呼ばれるようになったのは、
この地特有の抜けるような青空と、
モスク等に多用されている美しい青が凄く印象的だから。
拓郎も歌った、この「サマルカンド・ブルー」こそが、
実はラピスラズリの青なのだ。


サマルカンドの霊廟群

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