
大辞林によると「今際」とは、今は限りの意で、
今はもうこれまでの時、死に際、臨終のこと。
では、「今際の際」とは、
これまた最期の時、死に際、臨終のこと。
つまり「今際」も「今際の際」も、意味は全く同じなのだ。
さて、今年86歳になる伯父が先日、拙宅にやってきて、
小生に斯う切り出した。
「今から予約しとけば、死んだ時に海に散骨してくれるていう、
親切な人のおるらしか」
「タダでね?」
「予約料5万円だけで、あとは一切要らんけん、
遺族に少しも迷惑の掛からんとて。
俺もそろそろヨカ年だけん、そこに頼んでおこうかて思て…」
「伯父さん、どこのどなたか知らんばってん、
その人が伯父さんより長生きするちゃ限らんとバイ」
「ん~、そるもそうね」
Today's BGM
32階のBar(水越けいこ)
夏の終り(矢沢永吉)
ベルベット・イースター(TICA)

「その人がカネに困って5万円ば持ち逃げせんとも限らんし、
大体、散骨に掛かるとは船のチャーター代か精々、油代位。
何軒分か纏めてするとなら、一軒当たりの費用は知れたもんバイ。
で、散骨する時は誰か立ち合いの出来っとね?」
「いや、よう分からん」
「そもそも、いつ死ぬかすら判らんとに、前金ば取る意味の分からん。
ま、伯父さんのカネだけん、どう使おうが伯父さんの勝手ばってん、
頼むにしても頼まんにしても、その人がちゃんとした人か、どうか、
一回調べてからの方が良かバイ」
「わかった。どうも、ありがと」
以来、伯父からの連絡は一度も無し。
伯父がクタバッタという話も、まだ聞かないし…。
なお、一般社団法人「日本海洋散骨協会」という、
自主ルールを作っている業界団体があり、
その中には無料で生前予約を受け付けている企業もある模様。
散骨などの知識(メモリアルハーティ 海洋散骨)
臨終の際の手引き(日本香堂)
臨終の際の七不思議(幻冬舎・amazon)

0 件のコメント:
コメントを投稿