9/17/2019

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり



お通夜の席で、よく坊っつぁまが人の死を例に挙げて「無常」を説く。
「この世の一切のものは必ず変化し続け、一定に留まることは無い。
人生も儚いものであるから、みな心して日々を大事に生きよ、云々」
という、皆さんお馴染みのあの説教だ。

お通夜に参列しているのは、
ま、中には義理で仕方なくと云う人も居るだろうが、
大半は遺族だったり親戚だったり仲の良かった友人、
或いは仕事や地域等々の繋がりだったりと、
故人とは少なからず所縁(ゆかり)があって、
尚且つ故人の逝去を本心から悼んでいる人ばかりの筈なので、
坊っつぁまの教えが聊か押し付けがましかろうとも、
割と胸にグサッと来る場合が多い。
尤も、「よし、俺も明日から気合を入れ直して精進するぞっ!」
との決意は、いつも3日と持たないが…。
Today's BGM
コーヒーブルース(高田漣)
死んだ男の残したものは(森山良子)
夜空ノムコウ(中西保志)


実は先月の20日過ぎに中学の同級生がまた1人、
あの世へと旅立った。
工大高~大分工大を出て暫く建築士として働いていたけれど、
体を壊し奥方とも離婚。
晩年、と言っても確か40代の頃に天草に帰り、
親が遺してくれた貸家の家賃収入で生計を立てていた、
I田工務店の御曹司「イシブー」ことI田カツノリ君だ。

熊本市内に嫁がれた実の姉上によると、
何でも2月頃イシブーの肺辺りにがんが見つかり、
市内のさくら何とかという総合病院に入院。
抗がん剤による治療を受けていたものの、
持病の肝臓の数値が(いつ頃からかは不明ながら)みるみる悪化し、
危篤から僅か2日ほどで呆気なく逝ってしまったのだとか。

姉上から知らせを受けた小生は早速、
実家がI田工務店の隣で、
イシブーとは恐らく一番仲が良かったであろう、
中高の同級生・M崎キヨシ君に電話連絡。
「入院したことだけは知っていた」という元教頭の彼は、
申し訳無さからか、お通夜の受付も自ら買って出ていたようだったが、
高校卒業以来45年ぶりに聞いた、今も耳にしっかり残っている、
「知らせてくれて、どうもありがとう」の声が、
実は小生にとってキヨシ君との最後の会話になってしまった。
(受付時はタイミングを逃し、話せず仕舞い)

青天の霹靂と言うか、諸行無常と言うべきか、
心筋梗塞で昨日、彼もイシブーの後を追うかの如く、
早々とあの世へ逝ってしまったのだ。
お通夜は今夜7時、葬儀は明日1時、何れも天寿殿にて。
無論、今となっては話も出来ず、合掌するしかない。

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